2012年10月5日金曜日

第二回 : カナダの新・成長産業の味とは? (1)

2012年6月3日、生まれてはじめてカナダの地面を踏みました。 ちょうど飛行機の到着が夕暮れ時にぶつかり、数年前にTVで観たバンクーバーの美しい街並みが夕日を浴びて茜色に輝く光景を、空の上から眺めることができました。
入国審査を無事終えてゲートを出ると、まず最初に大きなカナダ原住民伝統の木彫り像が出迎えてくれました。 そのすぐ手前で「Welcome! MAHO」と書かれたペーパーを手にした年輩のカナダ人夫婦が、黒髪の日本女性といっしょに立っています。ホームステイでお世話になるデイブ(Dave)とボニー(Bonnie)ご夫妻、そしてバンクーバー生活をサポートしてくれる真澄さんです。


到着後、バンクーバー空港の駐車場でさっそくphoto!

真澄さんについては後日詳しく紹介させていただきますが、元は日本の外務省関連の団体で仕事をしていた方で、会社経営をしているアメリカ人のご主人と10年ほど前からバンクーバーへ移り住み、ご自身でも通訳のほか、バンクーバー長期滞在や留学のためのコーディネイト会社(HP)を経営している女性です。
バンクーバー冬季オリンピックが開催されたときには、日本のTV局のサポートや企業のVIPの方々の通訳で活躍されたのだとか。
その彼女がコーディネイトしてくれたのが、デイブとボニー宅での短期ホームステイでした。


「彼らはカナダ人の典型的なリタイアメント夫婦です。どちらかといえば裕福な部類に入るかもしれません。
アイルランド系で父祖の代からカナダ人、郊外の美しい自然に囲まれた閑静な住宅街にある庭付きの持ち家に暮らし、同じ敷地内に長女夫婦と小さなお孫さんたちが住んでいます。 高い教育とこれまで培ってきた経験を生かして、地域でのボランティア活動にも熱心です。 日本の文化にも関心を持っていますが、日本語は話せません。滞在のはじめに夫婦と日常を過ごすことで、乗り物の利用方法や買い物の仕方といった基本的な生活手段を知るのはもちろん、北米の一般家庭の慣習や価値観にふれる機会を手にできます」
と真澄さんの弁。


「食事も肝心です」デイブが運転する車の後部座席で、真澄さんの熱心な説明が続きます。「日本人は新鮮な野菜や果物を欲しがりますが、北米ではピザとフレンチフライポテトが食事の定番という家庭も珍しくないんです。その点、ボニーは料理上手で、健康にも関心が高いですから心配ありません」
心配ないどころか、楽しみといえば3度の食事になるほど、ボニーの作る料理はプロのシェフも顔負けの美味しさでした。さらに驚かされたのは、彼女の使う食材が肉も魚も、野菜、果物、バターやチーズの乳製品、油、調味料にいたるまですべてがオーガニック製品だったということです。


料理上手でいつも微笑みをたやさないボニー

種類も豊富でたとえばミルクならば、牛や山羊のミルク、豆乳、米乳、アーモンドミルク、ヘンプミルク(麻の実乳)が冷蔵庫の中に常備されていました。パンも小麦、ライ麦、稗(ひえ)、米、アマランサス、イースト菌有り、無しといった具合に多くの種類がストックされています。そのどれもがオーガニック(有機)製品です。わたしが一番に驚いたのは、豊富なオーガニック食材を供給するカナダの小売業と農業の存在です。日本でも健康意識の高まりからオーガニック食材がずいぶんと増えましたが、手間がかかるし値段も高くなりますから、一般的といえるまでは浸透していません。

渋井真帆のカナダ留学日記: 留学日記:カナダの新・成長産業の味とは? (2)